この記事は「ヤリスクロスのガソリン4WDの試乗レポート」についてまとめています。
- ガソリン4WDの走行性能とサイズ
- ヤリスクロスの先進装備
- 試乗レポート
今回試乗してきたのはヤリスクロスGのガソリン4WDです。
ヤリスクロスのガソリン4WDには本格的なオフロードで使用するような機能がいくつか装備されています。
FFには無い機能ですので、FFか4WDで悩まれている方の参考にもなると思います。
また、ヤリスクロスは走行性能だけではなく、かなり先進装備も充実しています。
ここ最近のトヨタブランドの中ではトップクラスの先進機能が装備されているのでそういったヤリスクロスの魅力もご紹介いたします。
他にもヤリスクロスについて紹介しているので興味がある方は合わせてどうぞ。↓
Contents
ヤリスクロス(ガソリン4WD)の走行性能とサイズ
グレード | G |
---|---|
パワートレイン | 1.5ℓエンジン |
駆動方式 | 4WD(4輪駆動) |
最大出力/最大トルク | 120[PS]/145[N・m] |
燃費(WLTC) | 18.2[km/ℓ] (市街地:14.0、郊外:18.9、高速道路:20.4) |
全長/全幅/全高([mm]) | 4180/1765/1590 |
最低地上高(mm) | 170 |
上の表が試乗したヤリスクロス(ガソリン4WD)の走行性能に関わるスペックとサイズになります。
それぞれのスペックについて少し紹介します。
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グレード・駆動方式
グレードとしては、「ガソリン、4WD、Gグレード」です。
グレードとしては中間グレードのGとなります。
駆動方式には4WDとFFモデルがありますが、今回は4WDモデルです。
大抵の車種はFFが売れ筋で4WDは殆ど売れないのですが、ヤリスクロスの4WDはかなり優れた走破性を持つということでその前例を覆すかもしれませんね。
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エンジン
エンジンの排気量は1.5ℓと、このサイズにしては少ないかな?とは思いますが…
新型プラットフォーム(TNGA)採用の車種なので車体自体が軽量化されていて排気量が少なくてもパワー面でも過不足無いレベルなのでしょう。
軽量化の恩恵を受けていると思われる燃費に関しては18.2[km/ℓ]となかなかの低燃費。
最近の車は、ハイブリッドモデルでなくてもかなり良い燃費になってきましたね。
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サイズ
サイズに関してもコンパクトSUVとカテゴライズされるだけあって小さい。
特に全長は4180[mm]と短く抑えられています。
エクステリア自体は腰高で大きく見えるんですけどね。
最低地上高も170[mm]と比較的高く、路面状況が悪くてもバンパーや車体下部を擦る心配はなさそうです。
流行りの都市型SUVではなく、本格的なSUVの車高です。
ヤリスクロスより1サイズ大きい都市型SUVであるCH-Rの最低地上高は、140~155[mm]とSUVなのにそれほど高くないですから。
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ヤリスクロスの先進装備
ヤリスクロスには、以下のような先進的機能が標準またはオプションが備わっています。
- ダイナミックトルクコントロール4WD
- ダウンヒルコントロール
- マルチテレインセレクト
- セカンダリーコリジョンブレーキ(SCB)
- ブラインドスポットモニター(BSM)
- Toyota Safety Sense
それぞれ装備について簡単に紹介していきます。
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ダイナミックトルクコントロール4WD
FF駆動と4WD駆動を自動的にコントロールするシステムです。
発進時や加速時、または滑りやすい路面状況の場合など4WDであった方が都合の良い場面で後輪にトルクを分配する機能です。
必要時以外は後輪は切り離されてFFとして走行することで燃費向上に貢献します。
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ダウンヒルコントロール
下り坂でのスピードを抑えて、安全に坂を下りやすくする機能です。
下り坂では、いつの間にか思ったよりスピードが出てしまうことも多いです。
それに加え、雪や泥といった滑りやすい路面状況である場面が合わさるとスリップしてしまい、かなり危険な状況になってしまします。
滑りやすい坂ではスピードを落とすのが鉄則ですからね…。
そういった状況になるのを防ぐための機能ですね。
かなりワイルドな道もいけそうです。
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マルチテレインセレクト
マルチテレインセレクトは、ガソリン4WDのモデルのみ装備されている機能です。
FFモデルだと中心にあるセレクトダイヤルが無いです。
- MUD&SAND
- NORMAL
- ROCK&DIRT
というモードがあり、滑りやすい道や悪路を突破する際に使用する4WDシステムの力を大いに発揮する補助機能です。
MUD&SANDは「滑りやすい道」、ROCK&DIRTは「デコボコが激しい道」で使用するモードとなります。
RAV4のガソリンモデルにも同様の機能がついていましたね。
ヤリスクロスは最低地上高も17cmとかなり高めなので結構な悪路も楽しく走行できそうですね。
ちなみにハイブリッドモデルの4WD仕様であるE-Fourの場合は、SNOWモードとTRAILモードというモードがあります。
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セカンダリーコリジョンブレーキ(SCB)
高速走行中、横風による影響を抑えて車線からはみ出すのを防止する機能です。
働く場面は、高速道路がメインとなりそうですね。
車高が高く、横風の影響を受けやすいSUVにはうれしい機能です。
私もトンネルの出口や山と山をつなぐ橋等でかなり横風を受けて車体が煽られてヒヤリとした経験があります。
そういったヒヤリやもしもの時に活躍してくれることを期待しましょう。(笑)
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ブラインドスポットモニター(BSM)
BSMは、自車の左右後方の死角にいる車の存在を教えてくれる機能です。
近頃の車ではもはや標準装備の域に達しています。
死角に車が存在した場合は、サイドミラー内のインジケーターが点灯します。
死角に車が存在した状態で方向指示器を出すと点灯してさらに注意を促します。
SUVのような腰高な車は車高の低めな車を見逃す可能性もあるので、意外と重宝する機能です。
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Toyota Safety Sense
トヨタセーフティーセンスは安全な運転を行うための予防安全パッケージです。
パッケージの内容としては以下のようなものがあります。
- プリクラッシュセーフティー
- レーダークルーズコントロール
- レーントレーシングアシスト(LTA)
- ロードサインアシスト(RSA)
- アダプティブ/オートマチックハイビーム
それぞれについて簡単に紹介します。
プリクラッシュセーフティー
ヤリスクロスのプリクラッシュセーフティーは、「昼夜の歩行者」と「昼の自転車」または「車」が対象となる衝突軽減ブレーキとなります。
最近発売されている、トヨタ車全般に採用されてきている機能ですね。
新型ハリアーにも同様のものが装備されています。
加えて!
ヤリスクロスの衝突軽減ブレーキは、「交差点における対向車や横断歩道上の歩行者にも対応」しています!
さらには!
「歩行者と衝突する可能性があり」「車線内で回避可能なスペースあり」「ドライバーの回避操舵あり」といった条件ではありますが、歩行者との衝突を回避するための操舵支援を行ってくれる機能があります。
レクサスLSにも同じような機能が追加されて話題になっていました。
LSの機能の場合はもっと積極的に車が介入してくるシステムですが…。
デグレード版ではありますが、価格1000万円超えの車両についているような機能がもうヤリスクロスにも採用されてきていますね。
時代の進歩は速いですね。
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レーダークルーズコントロール
高速道路のような自動車専用道路にてアクセルを踏まずとも一定速度で走行してくれる機能に加え、前方に走行車両がいた場合は速度を合わせて追従してくれる機能を併せ持ったクルーズコントロール機能です。
今やこの機能も普通となっていますね。
ヤリスクロスのレーダークルーズもキチンと全車速対応です。
この機能、渋滞の時に本当に便利です。
慣れてしまうと、これ無しの車には乗れない体に…。
まぁ、私はレーダークルーズが無い軽自動車にも乗ってますが。(笑)
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LTA・RSA
レーントレーシングアシストとロードサインアシストは以前、新型ハリアーの記事にて紹介しているので、こちらの記事でどうぞ↓
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アダプティブ/オートマチックハイビーム
アダプティブハイビームとオートマチックハイビームは機能は似たようなものですが、アダプティブの方が機能的には上位となります。
オートマチックハイビームは、ハイビーム/ロービームを自動で切り替えてくれる機能です。
それに対して…
アダプティブハイビームは、対向車や前方車両がいた場合、その部分だけ遮光する機能です。
機能としては近いのですが、アダプティブハイビームの方が夜間の歩行者や標識の視認性は高いです。
歩行者や標識に対してはハイビームのままですからね。
ただ、「遮光範囲が微妙」だったり「歩行者にとっては遠慮なしにハイビームを当てる」という問題点もあるので、まだまだ改善の余地はありますね。
正直、自分で切り替えた方が良いと思っています。
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ヤリスクロス試乗(ガソリン4WD)
それでは本記事の目玉であるヤリスクロスのガソリン4WDの試乗レポートについて紹介します。
以下のポイントごとに私が感じたことに加えて独断と偏見により「5段階」で評価します!
- 乗り心地
- 静粛性
- 運動性能
- 加速性能
- 実燃費
それでは紹介していきます。
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乗り心地
乗り心地としては、「どっしり」という感覚を覚えました。
全体的に安定感のある乗り心地です。
どちらかというと重厚感という方が正しいかもしれません。
車自体は小型なのでもう少し軽い跳ねるような乗り心地かと思っていましたが違いました。
荒れた路面や報道の段差を越えた際にも、跳ねもなく強い接地感です。
新型ハリアーの試乗でも同じように感じたので、新型プラットフォームの恩恵でしょう。
乗り心地:
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静寂性
静粛性に関しては、若干エンジン音が気になるかな?
という感じです。
ヤリスクロスのエンジンは3気筒というのもあり、静粛性には多少劣る気がします。
アイドリング時でも結構エンジン音の主張が強い(笑)
ただ、マシン感があって個人的には嫌いじゃないです。(笑)
乗り心地の重厚感に加えてこのエンジンサウンド…。
好きな方にはたまらないかもしれません。
アクセルを強く踏み込むと、当然それに合わせてエンジン音が大きくなります。
音的にちょっとかんばってる感がある音ですね。
外から聞こえる音の遮音性については、「このクラスの車なら普通かな?」という感覚です。
良くもなく悪くもないです。
その他の静粛性に関しては、ロードノイズが「ザー」と多少聞こえますね。
荒れた道路とかだと「ゴー」という音にかわります。
ただ、エンジン音の主張の方が強いので意識しなければ気にならないかもしれません。
静粛性:
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運動性能
走りの安定感と同様に運動性能も良いです。
これはもう新型プラットフォーム採用の車では当然のレベルなのかもしれません。
ヤリスクロスは腰高のSUVですがロールが非常に少なく安定した旋回性能です。
カーブでも安心して曲がれます。
ホイールベースも短いので小回りも効きますね。
もしかしたら、ダイナミックトルクコントロールの恩恵もあるかもしれません。
ステアリングの切り具合に合わせた応答性も良いです。
遊びが少ないです。
運動性能:
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加速性能
加速性能としては、「低速と中高速とのギャップが大きい」と感じました。
発進加速と低速時の加速に関しては「けっこう速い!」と感じました。
4輪が全部にトルクが配分されているのもあるのでしょう。
低速では、かなりのトルク感を感じました。
トルク感がよすぎてちょっとニヤついてしましました。
ヤリスクロスのような車を本格的なオフロードで試してみたいです。
また、FFのように前輪で車体を引っ張っているという感覚がなく、全体で進んでいるという違和感のない感覚です。
ただ、アクセルをべた踏みした場合、エンジン音の勇ましさとは裏腹にスピードが上がりません…。
走り出しのトルク感が強すぎるせいか高回転域までエンジンを回しても「思いのほか遅い」という感覚がします。
街のりでは不満が無い加速力ですが、高速道路の合流や追い越しを行う場合はパワー不足のように感じました。
ただ、いい意味で抑えられた適度な加速性能なので、扱いやすさに強みがありそうです。
低速トルクの強さを利用して悪路をじっくり進むのに適していますね。
個人的には、「街乗りやオフロードに適したパワートレインかな?」いった感覚です。
加速性能:
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実燃費
ディーラーの近所を周る試乗コースなのでカタログ燃費でいうところの市街地モードとの比較になります。
カタログ燃費の市街地モードは、14.0[km/ℓ]なのでこれに近い数字がでれば良いですね。
それでは、試乗コースでの実燃費は…
・
・
・
どん!
12.5[km/ℓ]です。
意外にカタログ燃費から離れていない!
一応、加速を試すためにそこそこアクセルを踏んだりしたのですが、そこまでカタログとの乖離はないですね。
例のごとく慣れればカタログ燃費の14[km/ℓ]は超えそうです。
「SUV」「4WD」「ガソリンNA」「アイドリングストップ非搭載」の条件でこれだけの燃費を出せれば十分ですね。
SUVのハイブリッドモデルでも実燃費が14[km/ℓ]位の車もいますからね…。(レクサスNXとかね…)
ちなみにFFになると1[km/ℓ]程度燃費が向上します。
実燃費:
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ヤリスクロス(ガソリン4WD)の試乗 まとめ
- 先進機能がかなり充実
- 安定感や運動性能が高い
- エンジン音が気になる
- 4WDの走破性能は高い
- 低速トルクが強い
- 中高速の加速力は控えめ
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おわりに
私は、ヤリスクロスは本記事のタイトル通りだと思っています。
ものすごく充実した安全装備ですね。
そして、扱いやすいサイズ感や控えめな加速性能。
この車を求める層は、かなり多いと思います。
それに加えてオフロードの為の本格的な装備の数々ときたら…。
実際、ハスラー君がいなければセカンドカーとして買ってしまうところでした。(笑)
試乗レポートでは比較的辛口な感想でしたが、かなりオススメな車だと思います。
実用性が高すぎますからね。
気になる方は是非ディーラーでのご試乗を!
それでは今回で、ヤリスクロスについてのレビューは終わりとなります。
次回も参考になる情報をお届けできるようにかんばります。